日中医学交流-中国の放射線治療

12月7日(金)に、2007年日中医学交流会議「放射線治療の現状と展望」が開催され
ました。場所は六本木の国際文化会館・講堂です。主催は日中医学協会です。
この協会は中国の医学生を日本に招いて留学させる制度を長年続けていることで
有名です。

今年は日中の医学交流として、初めて「放射線治療」を取上げました。日本でも
高齢者のがんの急増に従って、高齢者にやさしい放射線治療の需要は高まる
一方であります。この機会に日中両国の放射線治療の専門家が一堂に会して
意見を交換したことは大きな意義があります。

私にとっても中国の放射線治療の最新の情報を知ることができ、とても勉強に
なりました。
中国からは3名の放射線治療の専門家、日本からは4名の専門家が参加され、講演
を行なった後に、全員でパネル討論会を開きました。

 ここでは中国側の発表について述べます。
まず、中国側の責任者である殷 蔚伯先生(中国協和医科大学腫瘤医院教授)
中国放射腫瘤学会の設立20周年に当たって、第5回目の放射線治療に係わる人員
と設備について調査された結果を報告された。それによると、2006年9月30日
現在で、全国の放射線治療機関 952ヶ所、放射線腫瘍科医師5247名と報告され
た。そのほか、診療放射線技師、看護師、医学物理士の数も述べられた。
驚いた
ことに、日本の数よりもはるかに多く、しかも、比較的短い期間でこれだけの
人を養成した点である。日本でもマンパワーの不足に悩んでいるが、中国に
完全に先を越された感がある。医学部に放射線腫瘍学の講座を設置するなどの
対策が急務である。


二番目の高 献書先生(北京大学第一医院教授)は中国における食道癌の放射線
治療について述べられた。驚いたことに、中国の食道癌は全世界で発生する
食道癌の54%を占める重要な癌
である。因みにわが国の発生率は2%で、年間1万人
がかかると言われている。食道癌の治療成績はまだ良くないため、今後も日中
で協力してよりよい方法を開発する必要がある。


三番目の李 家敏先生(万傑陽子線治療センター長)は中国にただ一つある陽子線
治療の話しをされた。驚いたことに、この陽子線治療センターは民間の資金で
設立されたもので、株式会社組織だそうである。
これほどの巨額の資金を出す
会社が中国にあるということで、彼らの経済発展をまざまざと見せつけられた
気がしました。因みに一人当りの治療費は13万人民元(日本円で200万円)と聞い
て、またびっくり。もうすでに400人近い方を治療されたとのこと。

 
いずれにしても、中国の放射線治療の現状をはじめて知り、びっくりする
ことばかりでした。近くて遠い国、中国をもっと知り、交流を深め、学ぶべき
ところは学び、こちらが優れているところは情報を提供しながら、ともに

がん治療の発展に向けて協力することが最後に強調されました。
 写真は座長をされた京都大学放射線腫瘍学教授の平岡真寛先生と中国側の
責任者殷先生のお二人です。

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